演劇をするうえで「お客さんに来てもらうこと」は欠かせないですよね。
劇団によっては「チケットノルマ」といって、各役者自身が販売するチケットのノルマを設定しているところもあります。
それでも、趣味で演劇をしている社会人や、駆け出しの舞台俳優にとって、チケットを売ることは簡単ではありません。
- 同僚や友人にチケットを売るのはなんだか気が引ける…
- そもそもチケットを売れるような知人がいない!
など、初心者に限らず、演劇は楽しいけど集客に苦しんでいるという人は多いです。
でも、せっかく演劇を始めたのにチケットが売れないのが理由で演劇を嫌いになるのはもったいない!!
そこで今回は、大学生時代から7年以上演劇に携わり20回以上の公演に参加した経験から、社会人における演劇のチケットの売り方を解説します。
ちなみに、僕はこの方法を使って上京して最初の舞台で15人のお客さんを呼ぶことができました!
チケットのノルマはだいたい10~20枚
そもそも何故10枚を目指すのかということについてですが、これは大抵の場合でチケットノルマが10枚~20枚に設定されていることが多いからです。
だったら20枚売る方法を教えてよ!
となるんですが、これは正直テクニックでどうにかなるものではないです…(汗)。
20枚売ろうと思うと、ある程度その土地で経験を積んだり、交友関係を広げていくことが必要になります。
一方で、個人的な感覚ですが初舞台でチケットを10枚売ると「かなり多いな~」という印象を受けます。
というわけで、まずは10枚を目標に行動を始めましょう!
チケットを売るのが気が引けるのは「舞台のクオリティに自信がないから」
実際にチケットを売るとなると、まずは友人や知人が思いつきますが、
- チケットを売ってお金をもらうのはなんだか申し訳ない…
- 友人・知人に観に来てもらうのはちょっと恥ずかしい…
と感じてしまう方も多いはず。
そう考えてしまうのは、「自分の演技」あるいは「舞台のクオリティ」に自信がないのが原因です。
確かに、「チケットを売る」という行為は「他人からお金(と時間)をいただく」行為でもあるので、遠慮してしまう気持ちもわかります。
しかし、稽古に一生懸命取り組んで自分の演技スキルが上がり、公演の完成度が上がってくれば、おのずと
自分の役を、この公演を観てほしい!!
という気持ちの方が大きくなってきます。
ですので、胸を張って友人・知人を公演に呼ぶためにも、まずは稽古に打ち込んで公演のクオリティアップに努めましょう!
【都合のいいときだけ頼るのはNG!】まずは知人・友人に声をかけよう
「友人・知人にチケットを売る」といっても、普段全く連絡を取らないような相手にいきなり売りつけるのはNG!
ほとんど売れることはありませんし、返信すら返ってこないこともあります。(僕も過去にありました…(笑))
相手にもよりますが、演劇をやっている人を「怪しい人間」だと感じる方は思いのほか多いです(笑)
公演のお誘いをするのは普段からしっかり交流のある人にしましょう。
LINEでのお誘いは個別で送ろう!
これはもう絶対!必須です!
これを徹底しないと10枚達成は不可能といっても過言ではないですし、逆にこれをちゃんとやるだけで10枚達成してしまうこともあります。
「個別でメッセージを送るのは面倒だし、グループで送っちゃえ~」
となるのはすごくわかります。実際、3~6人くらいの小さなグループであればそれでも大丈夫です。
ただ、大きなグループになってくると
ふ~ん。まぁ誰かが行くでしょ
誰も返事してないしスルーしとくか
となります。既読スルー待ったなし。
これを避けるために個別でお誘いを送る必要があるわけです。
また、個別で連絡を取ることで意外な人からいい返事をもらうことがあったりしますよ。
お誘いの連絡は「情報解禁」と「本番3週間前」の2回!
実際に口頭やLINEなどでお誘いをする場合にはタイミングが重要です。
もちろん公演情報の解禁直後に連絡するのは必須なのですが、このタイミングで即決で「行きます!」と言ってくれる人は案外少ないです。
多くの場合で、「予定を確認しておきます!」といった旨のお返事を下さるはずです。
この「予定を確認しておきます!」には大きく分けて下記の2パターンあります。
- 本当に行きたいけどまだ予定が決まっていない
- 行くつもりはないけど社交辞令でお返事を…
1の場合は待っていれば相手から返事が返ってくることがあります。
なかなか返事が返ってこない場合は1か2どちらの可能性も考えられますが、やることは1つです。
本番3週間前にリマインドの連絡をしましょう!
なぜ3週間前なのかというと、
- 早すぎると、まだ予定が決まっていない
- 遅すぎると、行くつもりだったのに別の予定を入れてしまっていた
となる可能性が高いからです。
また、あまりに返事の催促がしつこいとうっとおしく思われるので何度も連絡をしないようにしましょう(笑)
連絡の内容は
以前ご連絡した件ですが、その後いかがでしょうか~
的な文脈で大丈夫です。
こうすることで、行く気がない人も断りやすくなります。
個人的に大切なのは、できるだけ断りやすくすることだと思っています。
意外かもしれません。でも、人からの誘いを断るのは、多少なり罪悪感があったり、精神力を使ったりするものです。
連絡すること自体が億劫になって距離を置かれては元も子もないので、気軽に断れるようにしてしまいましょう(笑)
細々とお誘いしていれば、いつか気が向いたときに観に来てくれるかもしれませんよ。
属するコミュニティを増やして交友関係を広げよう
友人・知人にお誘いの連絡をしても10人に達しなかったときは、こちらの方法も試してみましょう。
単純に言うと、「友達を呼んで足りないのならもっと友達を増やしちゃおう」ってことです。
この方法は、ちょっと即効性はないですが効果大!
というのも、既存のコミュニティの中で友達を増やすのは至難の業だからです。
- 「学生時代の友人」を今から作る
- 職場のメンバーを10人増やす
こんなの無理ですよね(笑)
でも、新しい趣味を始めれば知人を10人増やすことは簡単です。
演劇をしながらほかの趣味に手を出すのはなかなか大変ではありますが、芝居の肥やしになると思って頑張りましょう!
僕の場合は、Twitterを中心に
- 音声配信(Radiotalk)
- VRSNS(RECROOM)
- 3Dプリンターによるコスチューム造形
をやっています。
いずれもTwitterで情報発信する場合は、「発信者本人」にスポットが当たることが大切だと考えています。
自分自身に興味を持ってもらえないと自分が出る公演に関心を持ってもらえないですからね。
ただし、最初から集客目的で始めるのはNGです!
既にその界隈で趣味を楽しんだり、活躍されている方々に対して失礼になります。
あくまでも自分も新しい趣味を楽しむことを最優先にしましょうね。
また、演劇以外の活動をするときも役者と同じ名義にしておいた方がお客さんにもわかりやすくなります。
ですので、役者として活動する際は初心者の方でも芸名を持っておくのがオススメです。
【最後に】演技力と集客力で役者としての魅力を伸ばそう!
今回は個人の集客力を中心に解説しました。
集客となるとどうしてもお金の話になるので、胡散臭い雰囲気になってしまいます。
でも、演劇に演技力は大切ですが、それを観てくれるお客さんがいないと成立しないものです。
そういった意味では集客力はお芝居を続けていくうえで無視できない大切な力だと思います。
頑張って作った作品をたくさんのお客さんに観てもらうためにも、演技力だけではなく、集客力も伸ばしていきましょう!