台本が配られて、配役が決まって、いざ、役作り!!
とはいえ、
- 現実社会から離れた設定の脚本
- 日常生活のシーンがない
- そもそも出番が少ない
などなどの理由で役を掴めないこともある。
それでも、まずは演者自身がキャラクターを理解できないと他の役者との稽古にも支障が出るだろう。
ということで、今回はいろいろな役のイメージの掴み方を紹介していこう。
好きな○○を決める
飲み物・食べ物
そのキャラクターが好きな食べ物・飲み物について考えてみることは役の人となりを掴むのに有効。
ただ「○○が好き」だけではなく、
- どこで
- 誰と
- いつ
あたりを意識すると解像度が上がる。
例えば…
「行きつけの喫茶店の一番奥の席で食べるナポリタン」
これだけでも何となくオシャレな雰囲気が感じられる。
自分の中での役のイメージがしっかりと固まれば、実際の演技でも自然と立ち振る舞いや所作の取捨選択がしやすくなるはずだ。
テーマ曲を決める
身の回りの役者にはこのタイプが一番多かったので紹介する。
音楽は1つの短いストーリーともいえるものが多い。
また、曲調や可視から心情の動きを想像しやすいので役をつかみやすくなるだろう。
テーマ曲というからには見せ場のシーンで実際に流れるイメージを持てば、シーンの温度感やリズムを意識することに役立つだろう。
実際に劇中のBGMとして使用できるか演出に提案するのも楽しい。
イメージをほかの共演者に共有しやすいのもテーマ曲のメリットだろうか。
とはいえ、個人的には自分が今まで演じた役にピッタリな曲が見つかったことがほぼないので、テーマ曲を決められたことがなく深く語れない……。
普段から聞いている曲のジャンルが偏りすぎているのでは?
それはそう。
自分の好きなジャンルに当てはめる
動物
動物好きの役者がこれをやっていた。
いわゆる就活で聞かれる「自分を動物に例えると……」的なソレだ。
今まで挙げた食べ物や音楽と違ってズバリ生き物なので、動きや性格が想像しやすいのが最大の特徴だと思う。
所作まで意識できるようになるので、ピッタリなイメージが見つかれば脚本全体を通して一気に演じやすくなる。
わかりやすいところだと犬系、猫系とかだろうか。
ちなみに筆者は爬虫類っぽい雰囲気の役が多い。
ガイアメモリ
はい、これは自分がいつもやっている方法。
ガイアメモリって何?
ガイアメモリ
特撮ドラマ『仮面ライダーW』と、その関連作品に登場するアイテム。
地球に記憶された現象・事象を再現するプログラムが封じ込められており、ガイアメモリを挿してメモリに内包された「地球の記憶」を注入することで、対象の生物を怪人ドーパントに変貌させる。
https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%AA
要するに、仮面ライダーの怪人に変身するためのアイテム。
オタクの妄想と侮るなかれ、
- 追い詰められたとき(怪人に変身するとき)にどんな行動をとるのか。
焦る?冷静沈着?開き直る? - 頭脳派?武闘派?
- どんなものに強く執着するのか
あたりを整理することができるので役作りの初期において重宝する。
稽古期間の早い段階で方向性を決めておくことは、時間の制約が厳しい社会人劇団において有利なのは間違いない。
ちなみに筆者は悪役や黒幕的な配役が多いので、「仮面ライダーの怪人」という考え方がしっくりくるのだと思う。
まとめ:とはいえ自分が決めたことに縛られないことが重要
ここまで、脚本には書かれていない内容を想像して役を掴むことを目的に語ってきた。
しかし、あくまでも「脚本には書かれていない」ことに注意しなければならない。
役者個人の想像(悪く言えば妄想)に過ぎないので、これに縛られて演技の幅が狭まるのでは本末転倒だ。
そもそも、これらを決めることに大きな意味があるわけではなく、演じるうえでの気分を上げたり、脚本では描ききれていない部分まで意識を広げることが重要なのだ。
裏を返せばやってもやらなくてもいいことなので、気軽に取り組もう。
自分だけの役の掴み方を見つけると役作りがもっと楽しくなるはず。